うなぎにまつわる言葉の意味は・・・。
うなぎのぼり
物価や株の相場、人気などがみるみる間に急上昇していく様子をあらわす慣用句です。
ウナギは身体と地面が濡れていれば陸でも生きていられるうえに、身体をくねらせて離れた場所まで移動することができます。雨の日は他の水場に移動することがあり、道や草むら、田んぼなどに這い出てくることがあります。
特に驚くのは、断崖絶壁や大きな滝もものともせずに這い上がってくること。この力強い姿を勢いよく上昇することに例えて「うなぎのぼり」と呼ばれるようになったと言われています。
うなぎの寝床
京町家に代表される、間口が狭くて奥行きが長い建物や場所のことをあらわす言葉です。
外観は紅殻格子(べんがらごうし)や虫籠窓(むしこまど)、犬矢来(いぬやらい)など、特徴的な意匠がちりばめられています。
町家が生まれた背景には、豊臣秀吉が家の間口の広さに応じて税金をかけようとしたので、税金対策のために間口を狭くしたという説もありますが、実際には多くの家屋を並ばせようと工夫した結果、間口が狭く、奥行きが深い家にならざるを得なかったようです。
山芋うなぎになる
近年になるまでウナギの産卵や成長の過程が解明されていなかったので、昔は山芋が年を経て特別な力を持つとウナギに変身すると信じられていました。この俗説がもととなり、平凡だと思っていた人が立派な人物になることをあらわす表現として、「山芋うなぎになる」という言葉が使われるようになりました。
「江戸前」と「旅鰻」
「江戸前」というと寿司が真っ先に思い浮かびますが、江戸前とはもともとウナギの蒲焼のことだって知っていましたか?
江戸前とは「江戸城の前」の略で、城の前に広がる近海やそこで獲れた海産物を指します。
現在の築地から鉄砲洲にかけての江戸前エリアは、ウナギが多く生息している名所でした。特に深川や隅田川で獲れた江戸前は上質として人気が高く、江戸前以外の場所から入ってきたものは「旅鰻(たびうなぎ)」と呼ばれて格下とされました。